最強の中華鍋と謳われる山田工業所の中華鍋『鉄 打出片手鍋(板厚1.2mm)』が実際かなり便利!!

料理のプロ達が愛して止まない山田工業所の中華鍋。
プロが使うと言ってもその価格は一般人が普通に買える価格。

私は毎日自炊をしていますが、特に料理が上手いわけでもなく好きなわけでもなく、上達もせず。
そんな私が山田工業所の中華鍋を買ってみました。

建前レビュー

中華鍋を選ぶ理由

私が中華鍋を買う前までは1,000円しない普通のフライパンを使用していました。結構長い期間使用し続けた結果、木製だった持ち手部分が腐ってしまいボロボロと木屑がこぼれ、フライパンがクルクル回転してしまうまでの状況になってしまいました。

保管方法が悪かったのか、それともパスタを茹でる時も使用していたので、水分が取っ手のほうに徐々に侵食していったのか…

いづれにしてもこの経験から次買うフライパンは取っ手が丈夫なものにしよう!
そして今後買い替えが発生しないように一生使えるものにしよう!
そう考えました。

色々な種類のフライパンがある中、最終的に私が選択したのが中華鍋でした。

中華鍋にした理由は
・炒める、揚げる、煮る、茹でる、蒸すなど料理の全てができる
・お玉でガシガシと男らしい乱雑な調理ができる
・鉄分が鍋から摂取できる
・とても丈夫!

購入の決め手になったこの4点を詳しく見ていきましょう。

中華鍋一つでなんでも出来る

中華鍋は別名「万能鍋」と呼ばれるほど幅広い料理法に対応できる鍋です。
どこかのサイトで見たのですが、プロの料理人に「もし無人島に一つだけ調理器具を持ち込めるならどれにしますか?」というアンケートを取ったところ、ダントツで中華鍋が1位に輝いたそうです。

色々な形のフライパンや鍋がありますが、中華鍋一つあればそのほとんどが無意味となるほど中華鍋の汎用性は高いのです。

お玉でガシガシ

中華料理店やラーメン屋さんで、中華鍋をお玉一つで豪快に調理している光景をよく見かけます。

あんな激しいことを普通のテフロン加工フライパンでやってしまったら…
1年もせずに買い替えが発生してしまいます。

しかし鉄製の出来た中華鍋ならそんな心配は必要ありません。
心置きなくお玉でガシガシ料理が楽しめます。

食物以外から鉄分摂取

1日で必要な鉄分は男性で10mg、女性で12mgとなっています。
ひじきやレバーに豊富に含まれていますが、毎日食べるのは難しいですよね。

特に食事が偏っていたり、ダイエットなどで無理な食事制限をしている方で貧血の症状がでている場合、鉄分不足が原因の可能性が高いです。

そこで鉄でできている中華鍋の出番です。
中華鍋で調理することにより中華鍋から鉄分が食材に溶け出して鉄分補給ができます。
とは言っても中華鍋から溶け出す鉄分は微量なので、溶け出した鉄分だけでは不十分ではあります。

「使わないよりは使ったほうが良い」程度のレベルです。

とても丈夫

中華鍋の寿命は普通に使っていれば寿命なんてないようなものだそうです。
人間の寿命より長いので、耐久性はとても高いと言えます。

私が一番気になるのは取っ手部分の腐食。
以前のフライパンは取っ手が木製でしたが、腐食するのが嫌だったので取っ手は鉄製で出来ているものにしようと考えていました。

そこで候補に挙がったのがこのタイプ。

このタイプの素晴らしいポイントは、鍋と取っ手が1枚の鉄板から出来ているところです。
これが鍋部分と取っ手部分が別々に作られ後からネジで留めるという構造ですと、長年の使用によってネジが緩んだりする可能性があります。

その点一枚の鉄板で全て作っているタイプなら取っ手が壊れる心配がありません。

テフロン並みに焦げ付かない

中華鍋はきちんとした手順と正しい調理方法を行うことで、テフロン製と同等の焦げ付きにくさの鍋に成長します。じょじょに焦げ付きにくくなって行くし、失敗してしまっても何度でもリセットして成長させることができます。

それに比べてテフロン製のフライパンは… 一番最初がピークの状態で使えば使うほど能力は落ちて行きます。
そしてテフロンには諸説ありますが人体への悪影響の可能性が…

山田工業所がスゴイ理由

一般的な中華鍋はプレス機によって一発押し出しで整形されています。これにより大量生産をしているのですが、山田工業所は違います。

山田工業所の売りである「打ち出し」という技術。
打ち出しとは、一枚の鉄板を何千回も叩いて叩いて叩きまくって整形していく技法で、手間と時間が非常に掛かります。もちろん大量生産にはまったく向きません。

何でそんな無駄なことするの? と思われるかもしれませんが、その答えは「多大なメリットがあるから」なのです。
打ち出しで作られた鍋はプロの料理人にとても人気があります。

打ち出し製は使いやすい

鉄板を何千回も叩いて整形するので、鉄が絞まり強化され通常より薄く仕上げることができます。薄さは軽さと火の回りの早さに繋がります。一日中料理をするプロにとって、これがどれほど素晴らしいことかは想像にかたくありません。

さらに鉄の弱点である細かい隙間。
目には見えませんが鉄には細かい隙間があって、この隙間がサビや傷の原因となります。しかし打ち出し技術はこの細かい隙間を埋めていき、鍋の寿命を延ばします。

そして打ち出しによって出来る凸凹が油のなじみを良くします。
これらが時間をかけてもやる価値がある打ち出し技術です。質のよい中華鍋を作るためには必須の技術でありますが、高い技術力が必要とされます。 それを実現しているのが山田工業所なのです。

値段がお手頃

時間と手間と高い技術をかけて作っている山田工業所の中華鍋ですので、さぞお高い鍋なのかと思いきや。私がアマゾンで購入した30cmサイズの片手鍋(板厚1.2mm)はお値段3,466円でした。
全然高くないですし、むしろこのサイズの鍋だと安い方だと思います。

本音レビュー

使いにくさ

これだけ良い面がある中華鍋が一般家庭にさほど広がっていないのには、中華鍋ならではの敬遠されてしまうデメリットがあるからです。
テフロン加工された通常のフライパンに比べると、中華鍋は購入直後と使用後にお手入れが必要なので、それを面倒と感じる人には使い難いのかもしれません。

購入直後

購入したばかりの中華鍋には錆止めが塗ってあります。まずはこれを落とすために「空焼き」と呼ばれる作業を行う必要があります。
やることは単純で、中華鍋をまんべんなく熱しまくる! これだけです。
表面の色が黒から灰色っぽく変わると空焼き完了です。取っ手方面をいかにうまくできるかがポイントだと思います。

空焼きが完了したら一旦表面をタワシでお湯洗いしてください。
スチールタワシは傷がついてしまうのでダメです。

次の工程は「油ならし」です。
鍋に油を大目に入れていらない野菜を炒めてください。油が鍋全体に馴染んだら終了です。
これが中華鍋を使用する前に行わなければいけない作業です。

料理後のお手入れ

調理が終わったらタワシでお湯(水)洗いをします。洗い終わったら必ず水気を取ってください。水滴がついていると確実に錆びます。水気を取った後は鍋の表と裏に油を塗ります。
これを毎回行うことが推奨されています。

私も最初の頃は毎回行っていました。
水気を飛ばすために中華鍋を火にかけ完全に水分を飛ばし、冷めたら油をぬりぬり。1年くらいはそうやっていたのですが、今は面倒になってしまって水分を飛ばして終わりにしてしまっています。
油ぬりぬりをしていませんが、今のところ特に錆びなど不具合は出ていません。

中華鍋で困ったこと

中華鍋は丸みを帯びた形状です。炒め物や揚げ物をする時はその形状のお陰で万遍なく火が通って非常に重宝するのですが、この形状が仇となる料理があります…

私が経験したなかで中華鍋で困った料理は「お好み焼き」と「餃子」です。
私がよく作る料理の中でこの2つだけは平らなフライパンでないと作りにくくてしょうがないです。 特にお好み焼きに関しては諦めました。タネが鍋の中心に寄って行ってしまうので生地の厚みが一定にならないのと、鍋の形状のせいでヘラが使いにくく、ひっくり返すのが難しい!
同じような理由で「出汁巻き卵」もかなり難しそうですね。

取っ手も注意が必要です。
取っ手が鉄製の物は熱が取ってに伝わるので濡れタオルを巻いて料理をしなければいけません。
これを忘れてうっかり触ってしまうと…火をつけたままタオルを放置して引火なんてしてしまうと…こんなことにならないように油断せず料理をしなければいけません。

何気に困るのが収納。水が天敵ですので他の調理器具の水滴がつかないように気を使わなければいけないのですが、大きさもなかなかなので片付ける場所に困ります。
我が家ではS字フックで吊り下げています。

それでも私は中華鍋を使う

慣れれば非常に便利です。
「家のガスコンロでは火力不足で使い物にならない」なんて意見もよく聞きますが、そんなことはよほど分厚い物を使わない限り心配いりません。今まで使っているフライパンと同じ感覚で使用できます。

火力に問題がないという目安として、パラパラチャーハンが簡単に作れます。
普通のフライパンではパラパラチャーハンを作ることができなかった私ですが、中華鍋でのチャーハン失敗率は0です。
味は別ですよ。

でも結局……

なんやかんや書きましたが、結局今現在、中華鍋は一切使用しておらず、今はティファールのフライパンを使用しております。

その理由はと言うと、中華鍋の使い難さですね。
料理前に煙が出るまで熱する事によるガス代、柄の部分をタオルで巻かなくてはならない事、使用後に水分を飛ばすためのガス代、そして熱したことによってすぐに収納できない煩わしさ。

これらの理由により、結局使用していたのは3年ほどだったでしょうか。結局は普通のフライパンに戻ってしまいました。

まぁなので……これらのデメリットを苦に感じない人にのみ使えるアイテムであると思います。