低予算でできる限り良い椅子を手に入れたい!私が出した答えは内田洋行社のキャストチェアでした。
仕事上、家でパソコンに長時間向かうことが多いのですが、腰の痛みに悩まされていました。
それまで使用していた椅子はホームセンターで売っていた2000円程度の椅子。
最初のころは問題なく使っていましたが、日に日に座面のクッション性が損なわれお尻が痛くなってきました。
お尻が痛くて座っているのが苦痛になってきたので、座面の上に背もたれつきのクッション座椅子を置いて座っていました。
これでお尻の痛みは解消されましたが、椅子の上に椅子を載せて座っている状態なので当然座面の高さが上がり、結果姿勢が悪い状態で作業することになってしまいました。
そして……腰が痛くなる。
この問題を解決するためには良い椅子を買うしかない!
かなりの時間をかけて調査し、キャストチェアという答えに辿り着きました。
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建前レビュー
キャストチェアの可動ポイント
OAチェアを選ぶポイントとして絶対におさえておきたいのがリクライニングなどの可動部分がどうなっているのかということ。
高さ調整
まずは当たり前の座面の上下から。
最低座面高が38cm。
多くのメーカー(特に海外メーカー)は軒並み40cm以上なのですがキャストチェアは業界内でトップクラスの最低座面高です。
家では靴を脱いで生活する日本人に合わせた高さなんだとか。
ストロークは12cmですので最高座面高は50cmとなります。
リクライニング機能
私が以前使っていた2000円の椅子は、座面の上下しか出来ないものでしたのでリクライニング機能が新鮮で感動しました。
しかも単純なリクライニングではなく、2段式リクライニング。
どういうことなのかと言いますと、
背もたれが傾く通常のリクライニングと、背もたれの上半分だけが独立して傾けることができるのという、2か所の可動節があるという事です。
■通常リクライニング
背もたれが最大20度傾けることができます。
背もたれの傾きに合わせて座面も同時に前方がせり上がり、全身がリラックスモードに突入できる仕組みになっています。
リクライニングは好きな角度で固定も可能や、ダイアルによって反発強度の調整が可能です。
何より一番うれしかったのが、全力で後ろにもたれ掛かっても転倒することがない点です。
今までの2000円の椅子ですと後ろにのびをした途端、そのまま頭から倒れるという誰かに見られていたら大爆笑ものの経験がたびたびありましたが、キャストチェアではこんなコントなような出来事が起きません。
■背もたれ上部
背もたれの傾きを固定していても背もたれ上部は常に15度傾けることが出来ます。
実用例は、集中して作業をするときは背もたれを倒さない状態で固定して使っているのですが、疲れて背伸びをする時。
この時に背もたれを固定していても上半分が15度まで倒れてくれるので、気持ちよく後ろに体重をかけることができます。
非常にイイ!
ダイヤル調整で反発力の調整も可能です。
非常にイイ!
キャストチェア自体の構造と重さが転倒を防いでいるようです。
気楽に思いっきりのびができるのは非常に気持ちいいです。
座面位置調整
座面が前後に可動する
これには驚きました。
座面を6cm前後に動かすことができます。
この動きがあることで仕事中は座面を短くして集中しやすい体勢、リラックスモードの時は座面を伸ばしてゆったりした体勢というのができます。
特にリラックスするときはリクライニングを倒すのですが、この時に座面を延ばすことでゆったり座ることができてとてもイイ!これらの機能はキャストチェアの基本的な機能です。
キャストチェアはオプションによりさらに使いやすい椅子へと変化します。
アームレスト
長時間使う椅子なので肘掛は絶対あったほうがいいと思っていました。
キャストチェアには3種類のアームレストがあります。
①フルアジャスタブル肘
②リング肘
③T型肘
②と③に関しては形状が違うだけのただの肘掛です。
私が選んだのは①のフルアジャスタブル肘。
仰々しい名前ですが簡単に言うと『高さ、前後、角度の位置が変えられる肘掛』です。
肘掛の位置が動かせることによって、どんな体型の人にも合わす事ができます。
上下は8.3cm。
前後は6cm。
角度は110度。
これだけ動かすことができるので、肘掛の位置が合わないなんていう心配がありません。
ヘッドレスト
最後の稼動箇所がヘッドレストです。
高さが9cm、角度が40度可動します。
私はヘッドレストはなくてもいいかなと思い買っていませんが、お財布に余裕がある時を見計らって絶対買う!と意気込んでいます。
ヘッドレストがないと椅子の上でだら~んとくつろぐ時にどうしても頭を支えてくれる物がほしくなり、お尻を前へずらして背もたれに頭を置く体勢をとってしまうのですが、この状態を長時間しているととても腰が痛い!
ヘッドレストをケチってしまったことを後悔しております。
フットレスト
さらにオプションで足置き場もつけられます。
これに関してはよほど高い机を使っていない限りは必要ないかなっと思います。
シートはハイバックかスーパーバックがいい
キャストチェアにはミドルバック・ハイバック・スーパーバックの3種類シートがあります。
ミドルバックはシートが44cm、ハイバックは50cmとなっていて、
スーパーバックのみ肩の部分までしっかりサポートできる形になっていて55cmあります。
私は故あって(後述)ミドルバックとハイバックを持っていますが、身長が低い私でもミドルバックでは背もたれの高さが足らず、思うようにリラックスモードに入れません。
なので仕事のみでしか使わない!ということでなければ、ハイバック以上のシートの方が使い勝手がいいと思います。
安く買う方法
キャストチェアの最大の問題点は値段だと思います。
何もオプションをつけていないミドルバックで69,400円です。
良い椅子というのは得てして桁違いの値段なのかもしれませんが……それにしても高いっ!
そして今回私が欲しかった組み合わせは
ハイバック(73,900円)+フルアジャスタブル肘(21,800円)
この組み合わせで合計金額95,700円。
ほぼ10万円。
10万も出して椅子が欲しいかと言われると、正直欲しくありません。
でも私は買ってしまいました。
しかもミドルバックとハイバックの2脚。
もちろん定価で買うなんてことはできないし、していません。
キャストチェアを激安で買う唯一の方法。
それは…
『中古で買う!』
ありきたりの答えで申し訳ございません。
でも中古と新品では価格が雲泥の差なんです。
値段はお店と椅子の状態によって若干の違いはありますが、安ければ1万円以下で買える場合もあります。
某中古ショップではミドルバックが2脚セットで1万5千円というのもありました。
しかし中古で買う場合に問題となるのが…
「自分が欲しいタイプの物があるかどうか」
これがなかなか難しく、
『ハイバック+固定肘』や『ミドルバック+フルアジャスタブル肘』はちらほらあったのですが、私が欲しかった『ハイバック+フルアジャスタブル肘』の組み合わせが見つかりませんでした。
そこで私は思いつきました。
「ないんだったら自分で作っちゃえばいいんじゃないか?」
キャストチェアはオプションを通販で買うことが可能で、自分で付け外しも簡単にできる構造になっています。
なのでとりあえずハイバックを中古で買い、アジャスタブル肘だけ新品で買おうかな……という考えになりました。
しかし…
フルアジャスタブル肘は定価21,800円。
オプション品は中古で売っていないので買うとしたら2万円も掛かります。
そこで私は気が付きました。
肘だけで2万なら、中古の「ミドルバック+アジャスタ肘」が1万円で売ってるのならそれを買って肘を付け替えればいいんじゃないのか。
つまり私は「ハイバック+フル肘」が欲しいがために、
「ハイバック+固定肘」と「ミドルバック+フル肘」の2脚を購入し、肘を付けかえることによって「ハイバック+フル肘」を手に入れたのです。
掛かった費用は合計で2万5千円ほどでした。
これが自分の欲しいタイプのキャストチェアを格安で買う唯一の方法です。
もちろん中古市場に欲しいタイプが出回っていればそれが一番手っ取り早くて安くすむと思いますが、なかなか見つからない場合はこういった方法で完成させるのも一つの手だと思います。
余ってしまった椅子は売れば少しは費用の回収にもなりますしね。
まとめると
10万円もする椅子を1万円前後で買える中古品がもっともコスパがいい!
中古店でクリーニングもしてくれるので安心して使用できます。
ネット通販で買う場合は、私のようにちょっとした欠品を掴む場合もあるので、出来ることなら店舗へ行って実物確認をするのがベストですね。
めんどくさいですけど。
腰痛予防を考えるのなら、椅子だけでなく机も変えることを検討したほうがいいかもしれません。
本音レビュー
実際に数年使い続けたキャストチェアの気になる点と、その後の末路をお伝えします。
腰痛
キャストチェアに変えてから私の尻と腰の痛みは改善されました。
かれこれ2年使用していますが、座面のへたりなどもなく快適です。
なのですが……やはり毎日のように長時間座っていると腰は痛くなります。
これはどんな良い椅子だったとしても共通の問題で、長時間の座りっぱなしは腰痛の原因となります。
良い椅子にすることで「腰痛になりにくくなる」だけであって、「ならない」ということではありません。
良い椅子に座ることと、定期的にストレッチなどをするのが腰痛予防の基本だと思います。
フルアジャスタブル肘の問題
わざわざ2脚買ってまでして手に入れた「フルアジャスタブル肘」ですが、ここにも問題が出てきました。
表面の肌触りがあまりよろしくなく、肘をついていると痛くなります。
対策としては表面に布などのカバーをつけると効果的で、トイレの便座カバーで肘掛カバーを作っている人もいらっしゃるようです。
しかし、肘置きとしてちゃんと素材を考えてほしいものだ……というのが正直な感想。
しかも肘置きはをかなりの価格て販売しているのですから……これを定価で買ってしまっていたら、かなりの後悔をしていたかもしれません。
それと……
これは中古店の方の問題なのですが、肘を固定するためのネジが1本ありませんでした。
肘置きはネジで3箇所固定する仕組みなのですが、なぜかネジが1本抜けていました。
使っていて特に支障はないのでいいんですけど……
これが中古品を買うときのリスクですね。
重量
持ち上げようとすると結構重いです。
初めて持ったときはビックリしました。
普段使う分にはまったく問題ありませんが、段差のある場所を移動するときは意外と重いのでご注意下さい。
2年後……
中古で購入して2年が経ったころ、お尻の痛みが始まりました。
購入した当時、ミドルバックの方のクッションの状態は良かったのですが、残念ながらメインで使うハイバックのクッションはややヘタリ気味でありました。
そして2年後……
もうお尻は痛いし、腰も痛いし、そして何より椅子に座っている事が苦痛になり、もともとない集中力がより一層なくなってしまいました。
そして、丁度引っ越しが重なったこともあり、キャストチェアを2脚処分する事に決めました。
売却へ
軽トラなどを所有している人は自らリサイクルショップに持ち込むのがベストなのでしょうけど、そんな車を持っていない私。
ついでに古い冷蔵庫や使わなくなった灯油ストーブなども処分したかったので、買取出張サービスを利用しました。
物の状態によっては買取、悪ければ無料引き取りか有料処分という事で、メールでの見積もりの段階では「内田洋行の椅子」という事で買い取りできるはずだったのですが……
蓋を開けてみれば、処分費として一脚1500円。
なので合計3000円の費用が掛かってしまいました。
買い取り不可だった理由につきましては、座面のヘタリではなく「汚れ」でした。
足部分にある傷、肘置きにある擦り傷、そして座面にある恥ずかしいシミ。
男性ならみんな椅子のクッション部分にはシミがありますよね?w
もしこれらがなく綺麗な状態であれば、一脚3000円位で買い取れたとの事でした。
最後のまとめ
これらの経験により、中古チェアは実物を見ないで買うのは賭けだという事と、キャストチェアを新品価格で買うとかなりガッカリするという事が分かりました。
リサイクルショップに行って状態の良いキャストチェアがあれば、それは買いだと思います。
ただ、その椅子を一生使うわけでないとしたら、傷には要注意です。
特に男性は座面のシミ。
売却時のチェックで恥ずかしい思いをするのでご注意下さい。